子どもが大人になった時、どんな大人になってほしいでしょうか?
「楽しく仕事をしていてほしい」
「周りの人といい関係を築いてほしい」
「結婚してほしい」
「幸せに生きてほしい」
など、いろいろな願いがあると思います。共通しているのは自分で生きる力をつけてほしいという、子どもの自立を願う気持ちだと思います。
子どもが自立するために、欠かせないものは何なのでしょうか?
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子どもが自立するのに必要なのは「甘え」です
子どもが自立するために欠かせないのが「しっかりと甘えること」です。
自立させたいのに甘えるなんて、反対のように思いますか?甘えさせていたら、いつまでも甘えてしまうように思うかもしれません。
だから自立できるように厳しくしたほうがいいと思って甘えを受け入れないと、自立への道を遠回りしてしまっていることになってしまいます。
甘えというのは愛情を求めることなのです。
ですから、甘えが満たされることで自分は愛されていると感じることが出来ます。そして、自分は愛される価値があると思えるのです。
甘えを受けとめることで、子どもの自己肯定感と親に対する信頼を育てることが出来ます。
そして、子どもは安心感を持てるようになります。この安心感こそが意欲のもとになります。
意欲があるからこそ、子どもは自立していくのです。
「甘え」が満たされないと人を信じることが出来ません
子どもは甘えを受けとめてもらうことで、自己肯定感や人への信頼感が育ちます。
もしも甘えを受けとめてもらえず、甘えを満たしてもらえないと、自分には甘えさせてもらえるだけの価値がないと思ってしまいます。
それと同時に相手に対する信頼も持てなくなってしまい、甘えることが出来なくなります。
周囲の人達に対して不信感を持ってしまうので、怒りや攻撃することで自分を守ろうとしてしまいます。
人間関係はお互いの信頼で成り立っています。
人に対して攻撃的で敵対してしまったり、必要以上に被害的になってしまっていては、良い人間関係を築いていくことは難しくなってしまうでしょう。
人間は集団で生活しています。1人で生きていくことは出来ません。ですから人間関係はとても大切です。
お互いを信じて、甘えあうことが人との支え合いに繋がっています。
子どもが幸せに生きていくために、子どもの甘えをしっかり満たしたいですね。
「甘えさせる」と「甘やかす」は違います
甘えを満たすことはとても大切ですが、ぜひ気をつけて頂きたいのが「甘えさせる」ことと「甘やかす」ことは大きく違うということです。
「甘やかす」というのは、子どもを大人の都合に合わせてしまうことで過干渉や過保護とも言われるようなことです。
できることをさせないで、大人がやってしまうことや、がまんできることをがまんさせないことが甘やかすことになります。
例えば、子どもが自分で靴を履こうとしている時に、子どもにやらせると時間がかかるからとお母さんが靴を履かせてしまうことです。
親が先回りをして何でもやってあげていると、確かに時間はかからないですし、親も子どももラクかもしれませんが、
ですが、子どもはいつまで経っても自分で出来るようにならなくて、後で困るのは子どもです。
また、なかなか出来ない悔しさや、自分で出来た時の達成感を感じる機会を失ってしまっています。
では、「甘えさせる」というのはどういうことかというと
子供がどうしてもできないことを手伝うこと、どうしても我慢できないことは助けること、スキンシップを受け入れることです。
先ほどと同じ例でしたら、子どもが自分で靴を履こうとしていて、なかなかうまく履けなくてお母さんに履かせてと言ったら、靴を履く手伝いをすることです。
つまり親のペースではなく、子どものペースに合わせることが「甘えさせる」ことです。
手伝うかどうか決めるのは、親ではなく子どもが決めるのです。
手伝ってもらいながら自分でやることで、子どもは自分で出来た!という自信がつきます。
子どもの心は「甘え」と「反抗」を繰り返して育つ
子どもが一度自立へと向かったらそのままずっと自立へと向かうのではありません。
子どもの心はどういうふうに育つのでしょうか?
子どもの心は「甘え」と「反抗」を繰り返して大きくなっていくと言われています。
「甘え」とは「依存」です
「反抗」とは「自立」です
依存すなわち甘えることで、子どもは安心します。安心することで意欲が出てきて、反抗すなわち自立しようとします。
自立すると次は不安な気持ちが出てきます。不安が強くなるとまた依存へと戻ってきます。そして、また安心してから自立へと向かうのです。
このように不安と安心を、甘えと反抗を繰り返し行ったり来たりしながら、子どもの心は育ち自立していくのです。
前は子どもが自分で出来ていたことを「お母さん、やって〜」と甘えてくることがあります。
子どもが不安になったり、甘えたくなったときには「大丈夫だよ」と受け入れてあげることが大切ですね。
子どものペースに合わせましょう
もしも、子どもが自立へ向かうために「甘え」が必要だということや、「依存」と「自立」を繰り返していくことを知らずにいたら、
甘えてくる可愛い我が子に厳しく接してしまうかもしれませんね。
何よりも一番大切なのは、甘えるタイミングも、自分でやろうとするタイミングのどちらも決めるのは子どもだということです。
子どものペースと親のペースはきっと違うと思います。ですから、可能な限り子どものペースに合わせていきたいですね。
子どもは何度も不安になっては安心を求めてきます。
子どもが甘えてきてくれるから親は愛情を注ぐことができます。そして、子どもも親の愛を感じることができるのです。
親が甘えることをいけないと思っていたら、子どもは親に甘えにくくなってしまいます。例え直接言わなくても、子どもは親の気持ちを敏感に察知しています。
甘えることができる人は、他の誰かの甘えも受け入れることができると思います。
子どもの甘えをすっぽりと包み込めるように、自分も甘えてみてはどうでしょうか。
甘えを受けとめてもらった時の安心や嬉しさを知っていると、子どもの甘えも受け入れやすくなると思います。
誰か他の人を変えることは出来ませんが、自分ならいつでも変えていくことが出来ます。そして、自分が変わると他の人も変わるのですね。