子どもの不登校は年々増える一方です。
今も多くの子ども達が悩んでいると同時に多くの親もまた悩んでいます。
学校へ行ってほしいと思う気持ち、子どもの気持ちを尊重したい思い、子どもの将来への不安などいろいろな葛藤の中で、子どもの幸せを一番に願っていると思います。
子どもが不登校になった時、親はどのように子どもを受け止め、サポートしていけばいいのでしょうか?
Contents
そのままの子どもを受け止めて安心させる
子どもが不登校になるのは、決してわがままだから不登校になるのではありません。
どちらかというと、人や周りに気をつかっている子や人の期待にこたえようとする子が無理をして学校へ行けなくなることが多いのです。
必ず何か理由があって、そして傷ついていたり、自信を失ってしまっていて不登校になっているのです。
ですから、無理に学校へ行かせようとするのはやめておきましょう。もちろん子どもが学校へ行かないことを心配する気持ちはとても分かります。
ですが、まずは何より傷ついている子どもの心をゆっくりと癒すことを優先させたいですね。
そのためにも家は子どもにとって安心できる場所であることが大切です。
不登校になっているお子さんをそのまま受け止めて安心させてあげてください。
子どもが不登校になったときに親の心がたどる過程
子どもの不登校という今までにはなかった変化を、親はどのように受け入れていくのでしょう?
私の尊敬する明橋大二先生が著書の中で分かりやすく紹介して下さっています。
子どもが、学校へ行けなくなった時、親がたどる心の過程は、キューブラー・ロスの言う、末期患者がたどる心の過程と通じるものがある、と指摘したのは『不登校の真実』などの著書のある、巨椋修氏です。
第一段階 否認
受け容れられないショックな出来事に、まず否認が起こる。
「これは、不登校ではない。ただの風邪が長引いているだけだけだ」
「うちの子が不登校になんてなるはずがない」
「単に怠けているだけだ」第二段階 怒り
現実を認めざるを得なくなると、次に、怒りや恨みが出てくる。
「どうして、うちの子だけが」
「どうしてこのくらい耐えられないの」
「こんな事になったのは、あの先生のせいだ」
「あの友達のせいだ」第三段階 取引
それでもどうしようもないとなると、子供と取引しようとする。
「学校へ行ったら、○○買ってあげるから」
あるいは、人知を超えた力に頼ろうとする。第四段階 抑うつ
以上の段階を経て、それらが無駄である事を知ると、うつ状態に陥る。
無力感、悲しみにとらわれる。
「この子の未来は絶望だ」
「もう立ち直れない」第五段階 受容
最後に、現実を受け入れるしかない事を知り、ようやく心は平静になってくる。
「仕方がない」「今は、こうするしかないんだ」以上です。すべての人がこの5段階を経るわけではなく、飛ひ越したり、途中で止まったりする人もあるといわれています。
そしてこれは、必ずしも不登校だけではなく、何か、とてもショックなことに出会ったときの、一般的な心の変化の過程ともいえるでしょう。
出典元:この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ(一万年堂出版・2004) / 明橋大二著 / P.231~233引用
人間は、新しい変化や出来事にともなって何かを失うことがあると、最初からすんなりと受け入れることはなかなかできません。
失うものが大なり小なり様々な場面においてこの5段階のプロセスを心の中で繰り返して、いろんな感情を感じながら自分の心で受け入れていくのですね。
子どもが不登校になったときに親がするべきこと
子どもが不登校になったときに親がするべきことを3つお伝えしたいと思います。
①子どもに求めていることを整理しましょう。
どうして子どもに学校へ行ってほしいと思うのでしょうか?何を子どもに求めて何を心配しているのでしょうか?
進学のため?就職のため?なぜ進学したり就職するのでしょうか?経済的に自立して自分で生きていけるようになってほしいからでしょうか?幸せにいきてほしいからでしょうか?
親として子どもに求めていることが明確になると、「学校へ行く」ことはより良く生きていくための一つの手段にすぎないかもしれません。
「学校へいく」ことだけではなく他の答えもあると思うと選択肢も広がっていくと思います。
②親が自分の人生を楽しむことを忘れないことです。
子どもが学校へ行けなくてとても心配だと思いますが、学校や子どもとしっかり話をして、現状を受け入れて今出来ることをやったら、子どもに必要以上に干渉しないようにしましょう。
つまり、子どものことばかりにならないで、自分が楽しむ時間を作ってください。一人の時間を作ってカフェでゆっくりしたり、自分のやりたいことや趣味を楽しんだりしましょう。
子どもの不登校で自分を責めてしまうかもしれませんが、いくら自分を責めても子どもの不登校が変わるわけではありません。
親が自分のことを責めている姿は子どもにとっても辛いものです。それよりも自分を大切にする姿を子どもに見せましょう。
子どもは親の鏡といいます。子どもにも自分を大切にしていいんだなと思ってもらいたいですね。
③1人で悩まずに第三者にも頼りましょう
そうはいっても
・どうしても自分を責めてしまう
・子どもと話をしたいが話をしてくれない
・ありのままの子どもを受け入れられない
・学校へいってくれないことが辛くてしょうがない
・とてもじゃないが自分が楽しむことなんて出来ない
などというように悩み続けて苦しんでいたら、ぜひ誰かに話を聞いてもらってください。
家族や友達、学校の先生、スクールカウンセラー、相談機関などがあります。どうか1人で抱え込まずに相談してください。
話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になりますし、第三者だから分かること、詳しい人に教えてもらえることもあると思います。
子どもの人生を長い目で見守りましょう
不登校の子どもの多くは、時間とともに元気になっていきます。
無理に追い詰められることもなく安心できる環境で見守ることが出来れば、ちゃんと社会に出ていけるようになるのです。
決して、不登校になったら一生引きこもりというわけではありません。いずれ元気になっていくと思えるとすこし気持ちが楽になると思います。
子どものプライドを大切にしながら、子どものペースに合わせるようにしたいですね。
親ができること、するべきことは「子どもを信じる」ことだと思います。
子どもには力を持っています。子ども達は自ら立ち直る力、自分で進んでいく力、そんな力を必ず持っています。