子育てで避けては通れないのが思春期ですね。
思春期って中学生ぐらいのイメージかと思いますが、
明橋大二先生によると、実は小学校高学年からプレ思春期といって、
感情の起伏が激しくなったり、反抗的な行動が増えるそうです。
そんなプレ思春期の子どもの自立を促すサポート方法を
明橋大二先生が教えて下さいます。
明橋大二先生の子育てハッピーアドバイスを聞いてみましょう。
Contents
明橋大二先生はどんな人?明橋大二先生のプロフィール
明橋大二先生のことを初めて知った方もいらっしゃるかもしれませんので、明橋大二先生のプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。
明橋 大二(あけはしだいじ)
昭和34年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 子育てカウンセラー・心療内科医。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて、真生会富山病院心療内科部長。 児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。 専門は精神病理学、児童思春期精神医療。
著書は「なぜ生きる」(共著)、「輝ける子」、「思春期にがんばってる子」、「翼ひろげる子」、「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」、「10代からの子育てハッピーアドバイス」など多数。
明橋大二先生のおかげで子育てで大事なことが分かり、悩みが減って子育てが楽しくなりました。
明橋大二先生より、プレ思春期の自立を促すサポート方法とは
高学年になると、プレ思春期へ 自立を促す、ちょっと意外なサポート法
ほめることが難しくなってくる理由
小学校高学年になると、いよいよ思春期の入り口に入ってきます。
本格的に思春期が始まるのは、一般的に、中学2年生の2学期といわれていますが(もちろん個人差はあります)、
特に女の子は男の子よりもこの時期はませているので、小学校6年、あるいは5年くらいから、プレ思春期といって、反抗的な言動が増えてきます。
第二次性徴が始まり、ホルモンバランスの変化もあるのでしょうが、イライラしたり、かと思うとケラケラ笑ったり、感情の起伏が激しくなってきます。
ぎょっとするような大人びたことを言うこともあれば、べたべた甘えてきて、まだまだ子どもだな、と思うこともあります。
思春期のほめ方、叱り方は、小さいときのようには、うまくいきません。
保育園のころは、「お片付けできてえらいねー」「全部食べられるなんてすごいねー」と、自然にほめられたのが、大きくなると、「えらいね」「すごかったね」と言っても、「別に」で終わってしまいます。
なぜかというと、思春期になると、親がほめたいことと、子どもがほめてほしいことが、だんだんズレてくるからです。
親がほめたいことは、勉強したとか家の手伝いをしたとか、そういうことですが、
子どもがほめてほしいのは、ゲームをクリアできたとか、ガラクタを集めてコレクションしているとか、キャラクターの名前を全部覚えたとか、そういうことです。
ところが、今度はそれを親が手放しでほめることができません。
それを無理にほめようとすると、子どもも「わざとらしい」「何か裏があるんじゃないか」と感じるようになってきます。
親からすれば、大人にとって都合がよいように動かすためにほめているところもあるので、そんな打算が見えてしまう、ということもあるでしょう。
幼児期は、親がほめたいことと、子どもがほめてほしいことが一致
思春期になると、親子でギャップが生じてくる
もちろん、「クラスで一番の点数だった」「運動会で一等賞だった」というようなことがあれば、親も心からほめられるし、子どももうれしいでしょう。
ただ、そういったことは、それほど頻繁にあるわけではなく、結局、「うちの子は、全然ほめるところがない!」ということになりかねません。
私はよく、「できた1割をほめましょう」と勧めていますが、たとえば、100点満点のテストで10点だった。
それを、「10点も取れてよかったね」というほめ方をされても、思春期の子どもはもう、ほめられるべきことではないとわかっているから、皮肉としか思えないのです。
評価ではなく、感謝を伝える声かけを
では、どういうほめ方がいいのかというと、そんな思春期の子どもでも、間違いなくスッと入るほめ言葉があります。
それが、「ありがとう」です。
これは、ひどい反抗期でも、たとえ非行に走ったような子どもでも、確実に伝わる言葉です。
たとえば、「よくがんばったな」というほめ方をされて、「別に」「たいしてがんばってないし」と言うような子でも、
「ありがとう」と言われて、すねたり、機嫌が悪くなったりする子は、ありません。
それは、ほめるというのは、そのこと自体、どこかで上下関係を前提にしているからです。上が下を評価する、「ほめてあげる」という感覚です。
すると、ほめられたということは、上から評価されたことになります。
いわゆる「上から目線」です。
そういう態度をされることが、だんだん思春期に近づくにつれ、イライラしてくるのです。
ところが、感謝の言葉でもある「ありがとう」は、全然上から目線ではないし、同じ人間として対等です。
「生意気で、なかなかほめられない」「ほめても、わざとらしくなってしまう」というときは、子どもが家族のために何かしてくれた、たまたま早く起きてきた。
そういうときに、「お母さん、ちょっと出かける用事があったから、早く起きてきてくれて助かったわ。ありがとう」と、声をかけていく。
そうすると、意外なほど、スッと伝わっていくと思います。
×気づかないうちに、褒めることが減ってくる
〇「ありがとう」の感謝の言葉を増やしていく
出典元:子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方3 小学生編(一万年堂出版・2013) / 明橋大二著 / P.37~43引用
明橋大二先生、思春期の子どもには感謝を伝える声かけをします
思春期がやってくる時期は個人差があって人それぞれですが、
はやい子は小学校5年くらいからプレ思春期がやってくるのですね。
思春期を迎えるほど成長した子どもに対して、小さい頃と同じような接し方では
子どももイライラしてしまうのは分かる気がします。
子どもの成長に合わせて、親の接し方も変わっていくことが大切なのですね。
「ほめる」ことは、上下関係を前提とした上からの評価であることを知って
確かにそうだなと、とても納得しました。
「ありがとう」と伝えることは、上から目線ではなく、
子どもを同じ人間として対等に見ていることになるのですね。
ちゃんと同等の一人の人間として見ていることが伝わるから、
子どもにもすっと入る伝え方なのだと思います。
親も子どもも対等の人間として接することが、
思春期の子どもの自立を促すサポートになることがよく分かりました。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
読んでくださった方の心がすこしでも元気になってもらえたら嬉しく思います。