ひといちばい敏感という特性をもつHSCは、
自己肯定感を持ちにくい傾向がありますが、
自己肯定感は幸せに生きるためにとても大切ですね。
どうすればHSCの自己肯定感を育てていくことが出来るのでしょうか。
そこで明橋大二先生が、HSCの自己肯定感を育むために大切な10のことを
教えて下さいます。
大切な10のことはいったいどんな内容なのでしょうか。
明橋大二先生にHSCの自己肯定感を育むために大切な10のことについて
詳しく教えていただきましょう。
Contents
明橋大二先生はどんな人?明橋大二先生のプロフィール
明橋大二先生のことを初めて知った方もいらっしゃるかもしれませんので、明橋大二先生のプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。
明橋 大二(あけはしだいじ)
昭和34年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 子育てカウンセラー・心療内科医。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて、真生会富山病院心療内科部長。 児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。 専門は精神病理学、児童思春期精神医療。
著書は「なぜ生きる」(共著)、「輝ける子」、「思春期にがんばってる子」、「翼ひろげる子」、「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」、「10代からの子育てハッピーアドバイス」など多数。
明橋大二先生のおかげで子育てで大事なことが分かり、悩みが減って子育てが楽しくなりました。
明橋大二先生より、HSCの自己肯定感を育む大切な10のこと
ひといちばい敏感な子の自己肯定感を育む大切な10のこと
①子どもを信じる
子どもは気づいても、周囲の人はまだ気づかないので、子どもの意見に対して
「気のせいじゃない?」とか「ウソ言わないの」と言ってしまうことがあります。
しかしその子は、人以上に敏感に察知する子なのです。
感じたこと、気づいたことを常に否定されると、
周りに対する不信感が育ってしまいます。
まずはその子の言うことを、そのまま信じましょう。
②抱きしめる
子どもが、強い不安を感じていたり、パニックになっていたりするときは、
抱きしめて、「大丈夫、大丈夫」と安心させましょう。
③共感する
子どもが不快な思いをしていたら、その気持ちを否定せず、共感しましょう。
「チクチクして嫌なんだね」「まだ慣れてないから怖いんだね」などです。
自分の気持ちをわかってくれただけで、子どもは安心することができます。
④気持ちを言葉にして返す
強い感情に圧倒されて、暴れたり、攻撃的になったりすることもあります。
そういうときは、気持ちを言葉にしてかけましょう。
「思うようにならなくて、嫌だったんだね。ゆっくりすれば大丈夫」
「断られて嫌だったんだね。『じゃ、次は自分にやらせてね』って言えばいいんだよ」
気持ちを言葉にできるようになると、かんしゃくや暴れることは減っていきます。
⑤ネガティブな感情を吐き出させる
嫌だった気持ちを、ワーッと吐き出すと、
子どもは自分の気持ちに気づくことができます。それを受け止めてもらうと、
自分でもその気持ちを受け止めることができるようになります。
「何でも話していいんだよ」という気持ちで聞きましょう。
特にアドバイスはしなくても、聞くだけで子どもは落ち着いてきます。
⑥スモールステップを設定する
失敗体験に弱く、ダメージを受けてしまうことがあります。
成功体験を重ねられるように、目標は細かく分けて、
1つずつ、「できた!」という達成感を持ちながら進めるようにしましょう。
そのためには、できたことを大人が言葉にして、
「朝ちゃんと起きられるようになったね」
「何時までにご飯が食べられるようになったね」と伝える。
大人が、「ちゃんとできているよ!」と言葉で伝えることが、
達成感につながるのだと思います。
⑦心の安全基地を作っておく
特に初めての経験には不安を感じやすいので、
心の安全基地、逃げ道を作っておきましょう。
「行くだけ行って、嫌だったら戻ってこよう」とか、
「やりたくなければ、先生に伝えてね。そうすれば無理してやらなくてもいいように、
お母さんから先生に伝えておくから」などと伝えましょう。
いざとなったら、逃げ道もある、と思うと安心して、前に進めるようになります。
⑧その子のペースを尊重する
HSCを育てるときの、大原則といっていいのが、
「その子のペースを尊重する」ということです。
子どもが「嫌」と言ったら、本当に嫌なのです。
子どもが「怖い」と言ったら、本当に怖いのです。
「そんな嫌がってどうするの。そんなことだったら、何もできないじゃないの!」とか、
「怖くない、怖くない。大丈夫だから!」と私たちは、つい言ってしまいます。
しかしその前に、まず、「どうしても嫌なんだね」「怖いんだね」と認めて
声をかけましょう。そしてちょっと待ちましょう。
子どもはちゃんと、本当はどうしなければならないか、わかっています。
それでも、不安だから、確認に時間がかかるから、「待って!」と言っているのです。
そういうときは、無理強いしないようにしましょう。
子どもが確認を終え、大丈夫と安心できたら、
必ず子どもは一歩を踏み出すことができます。
そちらのほうがよほど自信になります。
逆に、無理強いすると、子どもはパニックとなり、過呼吸になったり、
気を失ったりすることさえあります。
そうなったら、「そうなった」ということ自体がトラウマとなり、
もう二度と近づけなくなります。
ひといちばい敏感な子には、ひといちばい安心感が必要です。
「自分のペースを尊重してくれる」「自分のことを信じてくれている」、
その安心感が、一歩踏み出す勇気になるのだと思います。
×お母さんのペースで推し進める
◯子どものペースを尊重する
⑨少し背中を押してみる
そして、HSCを育てるときに、もう1つ大切なことがあります。
それは、親から見て、これは絶対大丈夫!と思ったときには、
ちょっと背中を押してみる、ということです。
子どもが不安になるのは、ちゃんと理由のあることも多いですが、
それでも、必要以上に怖がったり、考えすぎたりしていることも少なくありません。
そのときに(あくまで控えめに)「大丈夫!君ならできる」と背中を押してやることで、
子どもは、勇気を振り絞ってチャレンジし、うまくいけば、それがまた自信になる、
ということもあるのです。
「子どものペースを尊重する」ことと、「ちょっと背中を押す」ことは、
矛盾するように思いますが、実は両方大切なことなのだと思います。
子どもが考えすぎていたら、ちょっと背中を押す
⑩他人と比べるより、自分のゴールを目指そうと伝える
他人と比べられると、よけいなプレッシャーがかかり、
うまくいかなかったり、楽しめなかったりします。
他人との競争に勝つことよりも、自分のゴールを目指せばいいのだと伝えましょう。
歌にしてもサッカーにしても、プロになることも素晴らしいですが、
楽しむことのほうがもっと大切なのです。
そうして子どもの安心感を育むことが、
何よりHSCの自己肯定感を育てることになるのです。
出典元:HSCの子育てハッピーアドバイス(一万年堂出版・2018) / 明橋大二著 / P.126~141引用
明橋大二先生、HSCの安心感を育むことが自己肯定感を育むことなんですね
ひといちばい敏感な子には、ひといちばい安心感が必要なのですね。
ひといちばいの安心を感じて、自己肯定感を育てるためには
子どもを言うことをそのまま信じること、
抱きしめて「大丈夫だよ」と安心させること、
子どもの気持ちを否定せずに共感すること、
子どもの気持ちを言葉にしてあげること、
嫌だった気持ちを吐き出させて受けとめること、
目標を細かく分けて、出来たねと達成感を感じさせること、
逃げ道をつくっておくこと、などが必要なのですね。
他人と比べるのではなく、また他人との競争に勝つことよりも
楽しむことのほうがもっと大切なのですね。
そうして、その子のペースを尊重することで、一歩を踏み出す勇気が持てるのですね。
そのうえで、子どもの様子を見て、きっと大丈夫と思ったときには
ちょっと背中を押すことも、親がしてあげられることなのですね。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
読んでくださった方の心がすこしでも元気になってもらえたら嬉しく思います。