明橋大二先生

明橋大二先生、子どもが不登校なんです。どうしたらいいでしょうか?

子どもが学校へ行かない、行けない状態がつづく、

不登校になる子ども達が年々増えています。

子どもが不登校になったとき、親はどうすればいいのでしょうか。

明橋大二先生は、子どもが不登校になったとき、

親がたどる心の過程があり、その先に「感謝」という大きな幸せが待っています

とおっしゃっています。

子どもが不登校なのに「感謝」とはいったいどういうことでしょう。

明橋大二先生の子育てハッピーアドバイスを聞いてみましょう。

Contents

明橋大二先生はどんな人?明橋大二先生のプロフィール

明橋大二先生のことを初めて知った方もいらっしゃるかもしれませんので、明橋大二先生のプロフィールを簡単にご紹介させていただきます。

明橋 大二(あけはしだいじ)

昭和34年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 子育てカウンセラー・心療内科医。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて、真生会富山病院心療内科部長。 児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。 専門は精神病理学、児童思春期精神医療。

著書は「なぜ生きる」(共著)、「輝ける子」、「思春期にがんばってる子」、「翼ひろげる子」、「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」、「10代からの子育てハッピーアドバイス」など多数。

明橋大二先生に教えていただいたことが、私の子育ての一番の土台になっています。

明橋大二先生のおかげで子育てで大事なことが分かり、悩みが減って子育てが楽しくなりました。

明橋大二先生、子どもが不登校なんです。どうしたらいいでしょう。

子どもが学校へ行かなくなったとき、親は、どうすればいいのでしょうか

子どもが学校行かなくなって、もう3ヵ月になります。

最初は、母親も、何とか行かせようとしていましたが、よけい暴れてたいへんなので、最近では、本人を受け入れるしかないかなと思っています。

このままでよいのでしょうか。

最初は、子どもの気持ちがわからず、むりやり学校へ行かせようとしていたのが、今は子どもの気持ちも少しずつわかり、受け入れるようになってこられた。それは、とてもよかったと思いますし、基本的には、このままでよいと思います。

子どもが、学校へ行けなくなったとき、親がたどる心の過程は、キューブラー・ロスの言う、末期患者がたどる心の過程と通じるものがある、と指摘したのは、『不登校の真実』『大丈夫』などの映画作品のある、巨椋修氏です。

第1段階 否認

受け入れられないショックな出来事に、まず否認が起こる。

第2段階 怒り

現実を認めざるをえなくなると、次に、怒りや恨みが出てくる。

第3段階 取引

それでもどうしようもないとなると、子どもと取引しようとする。あるいは、人智を超えた力に頼ろうとする。

第4段階 抑うつ

以上の段階を経て、それらが無駄であることを知ると、うつ状態に陥る。無力感、悲しみにとらわれる。

第5段階 受容

最後に、現実を受け入れるしかないことを知り、ようやく心は平静になってくる。

以上です。すべての人がこの5段階を経るわけではなく、飛ひ越したり、途中で止まったりする人もあるといわれています。

そしてこれは、必ずしも不登校だけではなく、何か、とてもショックなことに出会ったときの、一般的な心の変化の過程ともいえるでしょう。

そういう意味では、質問されている方は、すでに第5段階までこられているわけで、3ヵ月で、よくここまでこられたと思います。

ところで、この5段階の最後の「受容」ですが、私はこれが、本当に最終の形なのか、と、以前から引っかかっていました。

というのは、一応、受け入れてはいるものの、これは、どこかアキラメではないのか、そういう状態が、最終形でもいいのか、という疑問です。

それがようやく、最近、気がつきました。受容は最終形ではなく、このあとに、もう1段階あって、それが最終形なのです。そして、それは何かというと、「感謝」です。

第6段階 感謝

子どもが不登校になった意味、子どもが非行に走った意味を、みんなで徹底的に考えていくと、その先で、必ず、人間にとって、本当に大切なものは何か、という問いに突き当たります。

「まず、親が変わらなければ」と努力するうち、子どもの苦しさは、実は、親自身の苦しさであったことに気がつきます。

そこまで、考え抜いたところに、「感謝」という、大きな幸せが待っているのです。

もちろん、目の前の苦しみにあえいでいる人に、感謝せよ、と言っても無理ですし、強制されて感謝できるものでもありません。

しかし、不登校の親の会などに行くと、必ず一人か二人は、子どもへの感謝を口にする親がいるのに驚かされます。ですから、不幸は決して絶対的な不幸ではなく、どんな場合でも、幸せに転じ変わる可能性を持っている、ということです。

もう取り返しのつかない末期ガンにかかってさえ、その病気に感謝して、「この病気にかかったおかげで、こんな大切なことを知らされた」と、手を合わせて逝った人を、私は幾人も知っています。

そういう意味で、子育てというのは、トラブルがないならないで楽しいし、あったらあったで、なお楽しい、幸せをもたらしてくれるものだと思います。

出典元:子育てハッピーアドバイス3(一万年堂出版・2006) / 明橋大二著 / P.147~153引用

明橋大二先生、不登校をどう受け止めるかですね

子どもが不登校になると、親はなかなかすんなりと受け入れることは難しいですね。

そのため、様々な葛藤が起こります。

認めたくない、受入れたくないという否認の気持ち、

怒りや恨み、何かに頼ろうとする気持ち、

無力感や悲しみ、うつ状態など。

このような気持ちを乗り越えて、ようやく現実を受け入れられて、

平静な心になれるのですね。

現実を受け入れて、現実に向き合うことで、親自身が本当に大切なものや、

今までは見えていなかったもの、気づいていなかったものに気づくことで、

「感謝」にたどり着くことができるのですね。

そして親が変わり、また子どもも変わっていくのですね。

不幸に見えた出来事も、受け止めかた次第で

幸せな出来事に変わる可能性があると知って驚いています。

明橋大二先生のおかげで、トラブルがあってもなくても子育てと向き合えると思っています。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

読んでくださった方の心がすこしでも元気になってもらえたら嬉しく思います。